2016年01月31日

フィリピン行幸啓に思うこと(4)

 だいぶ寄り道してしまったが、最初に予告したフィリピン人作家の話しに戻る。1月28日付産經新聞に掲載された記事について、以下引用する。

(略)「戦後の絆を示す、重要な機会だ」。フィリピンの国民的作家で、三島由紀夫など日本の作家とも親交があったショニール・ホセさん(91)は、両陛下のご訪問を歓迎する。
 戦争で家族や友人を失い、街で日本兵に意味なく頬をぶたれた記憶は数知れない。憎む気持ちも持って生きたが、日本の作家と交流し、文化を学ぶ中で「秩序だった国民性に見習う点が多いと気付き、好きになった」という。
 日本を許そうと思ったのは70歳を過ぎてから。「背負わなくてもいい重荷を、背負い続けていると感じた」。理由は分からないが「時間は全ての癒やしの基になるのは確かだ」と語る。「悪は沈黙がはびこらせる」と信じ文章を書いてきた。だからこそ、両陛下が平和を願い、慰霊の旅を続けられるお姿に敬意を払う。
 「この国を、忘れずに選んでくれてありがとう」。日本人、米国人、フィリピン人など、国籍を問わずに慰霊をされる両陛下のお気持ちは、確実に伝わっている。

 経営する書店に自身の信念「悪は沈黙がはびこらせる」と掲げたショニール・ホセさん(電子版の写真のキャプション)。写真は新聞ではよく見えない。電子版の写真を拡大すると英文が読めた。

 honesty
 integrity
 Evil prospers where good men are silent.

 訳すと、「正直 高潔 善人が沈黙するところに悪がはびこる」ということだろう。正確に訳して欲しいものだ。「悪は沈黙がはびこらせる」だけではgood menが抜けていて、意味が伝わらない。
ホセさんの人生、それは、苛酷な戦争体験とその後の米国支配、そこで展開された戦勝国を正当化する勧善懲悪の反日宣伝キャンペーン。悪いのは日本人で、米国人はフィリピンを民主化する救世主であると。

 米国民も含めて全世界を洗脳した宣伝工作。真実を知りながら勝ち馬に乗る人も国もあるだろうが、いまもってこれを内政外交の具に使う隣国もある。だが、真実に気付き、声を上げる人も出てきている。
「善人が沈黙するところに悪がはびこる」と。

「沈黙は金」とまでは言わないが、「敗軍の将、兵を語らず」と銘じたまま沈黙している日本人は多いと思う。日本の戦前の無計画な外交方針や統制の乱れた内政、大本営の思い上がった稚拙な作戦。筆者とて今もって日本人として恥ずかしいし、思い出したくない気持ちはよく分かる。ましてや戦場で敗軍となり、家族を殺され、家を焼かれた、戦争を体験した国民の率直な感情である。
 しかしここで沈黙していると、突け込む輩が現れるのがこの世の中だ。「善人が沈黙するところに悪がはびこる」のである。

 では日本人は善人なのか。個人それぞれの議論ではない。国としてはどうか。答えは「yes」と断言したい。それも、すこぶる付きの善人だ。馬鹿正直と言ってもよいと思うぐらいである。
 正直は良いことだが、相手も同じだと思ったり、自分が正しければ相手も分かると考えると失敗する。とくに国際問題で顕著になる。筆者が言いたいことはこの点である。ホセさんとは話したことはないが、彼の信念に通ずることだと思っている。以下次回。
posted by yasaka at 01:03| Comment(0) | ニュース/時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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